「ULTRA BLUE」宇多田ヒカル
☆☆☆☆☆☆☆☆*★
宇多田名義では4年ぶりのアルバムです。
シングルは「COLORS」から「Keep Tryin'」まで、余すことなく収録。
ほんと、彼女は期待を裏切らないなぁと。
「First Love」ではR&Bというジャンルを日本に根付かせ、「Distance」ではR&Bをベースにしたポップスを創りあげ、「DEEP
RIVER」では彼女のオタク精神を生かした独特のポップスを生み出し。そして今回の「Ultra
Blue」ではさまざまなジャンルの音楽をベースに、誰も作ったことのないような音を作ってしまったわけです。
なんか、今回のアルバム曲を聴いてみて思ったんですが、「洗練されてるなぁ」と。
揉みに揉まれて、いびつな石が丸い球体になったような。そんな印象。
そして、もうひとつ。曲がびっくりするくらいカラフルです。
要はそれぞれの曲がそれぞれ、個性を持っている、って感じ。
「EXODUS」がしっくりこなかった人にこそ聴いてもらいたい、アルバムです。
1.This Is Love
CMソングとしてもおなじみ。
前もって聴いてたんで、驚きは特にありませんが、やっぱ素晴らしい歌だなぁと。
「情熱」という言葉が似合う曲。
「Wait & See」と、曲の雰囲気なんかは近いかな。
あと「甘えてなんぼ」とかヒッキーぽいワードも出てきつつ。
「激しい雨に鳴り止まない遺伝子」なんて、すごい歌詞だなーって。かっこいい。
2.Keep Tryin'
最新シングル。
いたって普通のポップスなんだけど、ところどころに面白い演出や試みが感じられて、聴いてて楽しくなる。
あと、不思議な浮遊感が感じられる独特の雰囲気もいい感じ。
ヒッキーの持ち物であるちっちゃいピアノもうまく機能しています。
まぁ、なんつーか、全体的にかわいらしくまとまってますね。
3.BLUE
ザ・失恋ソング。
「女の子に生まれたけど 私の一番似合うのはこの色」という歌詞が印象的。
サビの叫ぶような歌い方が曲の切なさをより強調させてます。
音程が高いから、歌うには少しきつそうだけど。
あと、サビ部分が若干冗長な感じはするかなぁ。
サビはもうすこし短くしてもいいかも。
4.日曜の朝
かなり好きです、この曲。
「Distance」時代の匂いがする曲ですね。
サビ前のささやく部分がグッとくるなぁ。
「ice cream toppings」とか「chocolate cravings」とか、こういう何気ない言葉をささやかれるとたまらんです、ハイ。
あとこの曲、詞がかなり赤裸々だなぁと。リアル。
5.Making Love
遠恋ソングか。イマイチ歌詞の状況がつかめないんですがw
すごいキャッチーだなぁと。
それでいて軽すぎない。
「This Is Love」に似た雰囲気も感じるような。
「This Is Love」+「Keep Tryin'」÷2 いや、やっぱ違うか。
あと歌詞カードの表記が凝っていて面白いです。ナイス。
6.誰かの願いが叶うころ
これ、シングルで出た時の印象としては(映画の影響もあるんだろうけど)、
すごく切ない曲だなぁ、って思ったんですよね。
だけど今聴くとものすごく暖かい曲だなぁって。
母性とか、なんか人のぬくもりのような。
人肌が恋しくなるような。
ピアノの音もかなり優しげですし。
詞は切ないんだけどね。
7.COLORS
正直ね、この曲はアルバムに入れる必要あんのか、って思ってたんですが、ごめんなさい、私が間違ってましたw
このアルバムの要とでもいうような存在になってますね。
たぶんこの曲が抜けたら、このアルバムの印象がまた違ってたんだろうなぁ。
8.One Night Magic feat. Yamada Masashi
試聴段階ではノーチェックな曲でした。
多分、今はこのアルバムの中で1、2を争うくらい好きですw
メロディと歌詞が微妙にずれてるんですが、それが逆にいい。
字余りをうまく利用してます。
そして、もうひとつ。
注目すべきは宇多田ヒカル×山田将司という部分。
あれ?これ2人いる?ってくらい二人の声が似てます。びっくり。
ちなみに「揺らめいて光る ○ □ △」っていう歌詞がヒッキーぽくて好き。
9.海路
びっくりするくらい単調。
最初は「ん?」って感じでしたが、意外としっくりくるんですよね。
面白い試みというか。実験曲。
ヒッキー自身によるバックコーラスがまたいい感じ。壮大。
次の「WINGS」にものすごく自然に繋がるってのもポイント高し。
10.WINGS
「Keep Tryin'」のカップリング。
身近な歌詞に、優しいメロディが気持ちいいです。
またヒッキーの歌い方がとても伸びやか。
それとフルートの音が印象的ですね。
インスト曲「Eclipse」に繋がるような曲ラストの部分にも注目。
11.Be My Last
ものすごく個性の強い曲なんで、どうなることやらと思ってましたが、
配置場所が完璧。
アルバム全体の流れが滞ることなく、繋がっていってますね。
コーラスやアコギが効果的に使われていて、曲の荒っぽさが際立ってる。
やっぱすごい曲だなぁ。
12.Eclipse(Interlude)
インスト曲。
「Eclipse」とは「食」のこと。月食とか日食とか。
こういう機械を使った音、最近の宇多田っぽい。
面白いです。
13.Passion
最後を飾るにふさわしい曲ですね。
とにかく壮大。
実験的な感じもあるんですが、小難しいかんじではなくて。
宇多田風の言い方で言うと「ポップスから少し外した曲」。
まぁポップスなんてのは時代が変われば、その定義も変わるかもしれないわけで、
いつか「Passion」のような曲がポップスと言われる時代が来るかもしれないわけです。
今回は歌詞カードも凝っていて、気に入ってます。