ファンクラブ」ASIAN KUNG-FU GENERATION

☆☆☆☆☆☆☆☆☆★


すごいです。マジで。
アジカンがアルバムを出すたび、常に思うんですよ。「これが最高傑作だな」と。
で、今回も最高傑作だと思います。大げさじゃなく。

エモーショナルかつメロディアス。
ファンの中には「君繋の頃が良かった・・・あの荒々しさが・・・」とか、
「ソルファがいいのに・・・あのポップさが・・・」とか言う人もいると思います。
ただ今回のアルバムはそんな"進化"を快く思わないファンを黙らせるほどの力を持ってます。


1.暗号のワルツ
今までのアジカンにはなかった始まり方。穏やかにじわじわと。
「振動覚」や「フラッシュバック」みたいのもいいけど、毎回同じじゃ芸がないってことでしょうか。
「そうやって何度も逃げ出すから何もないんだよ」
「君に伝うかな 君に伝うわけないよな」
ゴッチの言葉が刺さります。

2.ワールドアパート
エモーショナルな名曲。
歌の中の言葉も非常に巧みです。
特に「遠く向こうで ビルに虚しさが刺さって 六畳のアパートの現実は麻痺した」というところ。
同時多発テロのことを歌ってるんでしょうが、生々しすぎず抽象的になりすぎずのスレスレの部分を見極めてるなぁと。そこがまたかっこいい。
このアルバムのリードトラックってとこでしょうか。

3.ブラックアウト
この作品の中では異色。「ソルファ」っぽいです。
多分このアルバムでは一番ポップかなぁ。
ナノムゲンフェスのアルバムを買ってない人にとってはありがたいですよね。
ちなみにフェスのアルバムに収録されてるのとは微妙に変わってます。
ギター音がプラスされてる?
CMで聴いた人も多いのでは。普通にいい曲だと思います。

4.桜草
桜草の花言葉は「若い時代と悲しみ」、「若い時代と苦悩」、「青春のはじめと悲しみ」、「少年時代の希望」。
この曲の内容からいって「若い時代と苦悩」が適当でしょうか。
曲調は「ブラックアウト」についでポップなんですが、なかなか重い曲です。
「一日中毛布に包まって 世界から逃げる 傷つくことはなかったけど 心が腐ったよ」
この部分の歌詞が非常に巧いです。

5.路地裏のうさぎ
「路地裏のうさぎ」っていうのは路地裏で見た月のことを歌ってるみたい。
この曲、アルバムの中では一番時間が短い(2:47)んですが、これくらいがちょうどいいなぁと。
エモーショナル。
ゴッチの叫びが熱いです。
このアルバムの中で結構上位にくいこむ歌。

6.ブルートレイン
アジカン、電車ネタ好きだなぁと。(ソルファは夜の電車・踏み切りをイメージして作られた。)
この曲はメロ部分とサビ部分のギャップが好きですね。
「ワールドアパート」とは対を成すような名曲です。
でもちょっと長すぎる気が。

7.真冬のダンス
アジカンにしては軽快すぎるメロディ。
なかなか実験的で面白い。
「ソルファ」でいうとこの「Re:Re:」とか「ループ&ループ」みたいな雰囲気の曲。
「繋がりたい」というアジカンの曲に一貫してるテーマが歌詞中に出てきます。

8.バタフライ
暗くて重い。乱暴で荒っぽい雰囲気の曲。
「5メートルの現実感をいつかなくして 見失っていって」
この部分の歌詞、まさに「君繋ファイブエム」。あの頃、彼らが歌にしていたテーマがこんなところに。
また、最後の「折れる」の部分。乱暴な言い方なんだけど、ものすごいしっくりきてます。
かっこいい。
このアルバムの裏リードトラック。裏番長的存在(なんじゃそりゃ)。

9.センスレス
アルバムの中では一番好きな曲ですね。
バンドの良さみたいなものが存分に味わえる感じ。
初めて聴いたときは、これアジカン!?となること必至。
てか、サビどこだよ!って。
今までにない雰囲気の曲なんだけど、この曲の持ってる感じがこれからのアジカンのスタンダードになればいいなぁと。
つーか、曲のテーマが壮大すぎてちびりそうですわw

10.月光
まぁこの曲は最後にふさわしい曲ですね。(最後から2番目だけどw)
ただ今までのラストの曲と比べるとインパクトが薄いかなぁ。
あと長い!
それを除けば素晴らしい曲だと思います。
イントロなんて鳥肌もんですよ。

11.タイトロープ
最初聴いたとき、「ん?月光で終わらせとけばよかったんじゃないの。余分なことしちゃって」って思ったんですが、繰り返し聴いてみると案外これがしっくりくるという。
全体を通してネガティブな曲が多かったんですが、この曲の最後の部分
「手を伸ばして意味の在処を探して 見失った此処が始まりだよね そうだね」
というところで今までの暗い気分が洗い流され、丸く収まるという。
巧いです。


今回、特に「繋ぐ」という言葉が所々に出てきましたね。
これは今までのアジカンの曲にはたくさん出てきた言葉なんですけど、今回は特に顕著。

あと、音が深くなったなぁということ。軽くない。
そして、メンバー一人一人の奏でる音が今回はまとまってたような気がしました。